リビングに求められる役割が最近になって変化しているのを感じます。昔のリビングは昭和のお茶の間の延長、つまりテレビを置いて、それを目当てに家族がそこに集まって過ごす場所、でした。最近はそうした部分も残しつつも別の空間として活用されるようになってきました。テレビ以外のもの、即ちインターネットからの情報収集によって、テレビの地位が相対的に低下していることと無関係ではありません。
その代表的な例が趣味の空間。大きなテーブルの上で各自が作業するための空間です。学習空間としての活用も広い意味でこの範疇に含まれます。子供部屋に机を置かず、リビングでテレビを消して・・・、一昔前の人が聞いたらびっくりするでしょうね。
こうした活用の利点は幾つかあります。一つは子供が親や祖父母と触れ合えること。「子供部屋」という閉鎖的な空間で、自分だけの世界を満喫する、その自由さは何物にも代え難いでしょうが、反面何をしているか誰も知らないわけで、犯罪の温床とまではいいませんが、問題が起きやすいのは確かです。それを解決できるのはとても良いことです。
リビングは外部の人も利用する、家の中で最も多くの人が空間。リビングに対する考え方がある意味で、その家に住む人のライフスタイルを表現する省庁でもあります。「玄関は家の顔」なら「リビングは家の性格」でしょうね。